I was made for you

未分類

私の大好きな歌い手Brandi Carlile(ブランディ•カーライル)の、その中で最も大好きなアルバム『Live at Benaroya Hall』の、中身を失くしてしまった。先ごろ処分したCDコンポのCDトレイに入れたまま廃棄したらしい。最も聴き込んだCDを失くしてしまうとは!まぬけだ。喪失感に襲われた。

しかし悪いことばかりではない。おかげでBrandiの物語に触れることができたのだ。

youtubeでそのCDからの彼女の代表曲『The Story (Live at Benaroya Hall with The Seattle Symphony)』を見つけた。The Storyは数え切れないほど聴いた。しかしその曲は、かつて見たことのないアニメ付きであった。出だしは、年老いて痩せこけたホームレスの女が街頭で横になっている。酔っているのか死にかけているのか。髪ぼうぼうの彼女の顔は皺だらけだ。曲の歌詞はこういうものだ。

あなたの物語を教えて、ほんとうのことを伝えてよ。あなたはいくつも山を登り、いくつも海を漕いできた。罪を犯し、流れてきたのね、わかったわ。泣かないで。わたしの微笑みが見えるでしょ?あなたは自分が苦しんでいると思い続けているけど、そんなことはないのよ。あなたの物語はわたしに微笑みをくださるから。

ホームレスの女の物語がカトゥーンで始まる。

鳩が降りてきて女の手にペンダントを置く。それを握った彼女は汚い街角から起きて歩き出した。道路を歩き、森の中に入り、山を登り、海へ漕ぎだした。そこに水上に柱を立てた家がある。大きな家だ。中に入ると廊下があり、いくつもドアがありその向こうには部屋がある。あるドアをあけると幸せな家庭があった。生まれた娘を育てる夫婦がいた。誕生日を祝っていた。別のドアを開けると病に倒れた夫がいた。夫を看病する妻がいた。庭に出ると墓があった。墓の前で泣き崩れる妻がいた。母に抱きつく娘がいた。家の窓辺から鳩がじっと二人を見ていた。つまり、ホームレスの女はかつて妻であり、かつて母であったのだ。

私はあふれる涙がこらえきれなくなった。止まらない。私も似た物語をもっているからだ。それを多く語れないまま、アパートに一人暮らしている。私だけでなく多くの人が似た物語を持っている。そこなのだ。私もこの動画のような一人一人の物語を書いて、人間交流の場を創造したいと思っている。それを読んでもらいたい。それが書ければ死ねる。

The Storyの歌詞の最後の一行は〝I was made for you〟「私はあなたのために造られた」で終わる。このmadeは「作る」という意味だが、「造る」と書きたい。そこには人間の再創造という意味がこめられているからだ。だれもが自分を再生できる。

悪いことをたくさんして、悲しいめにもあって、罰も受けて悲嘆に暮れてさすらってきた、おのれの人生物語を巻き戻す。すると鳩がペンダントを授けるように、気づきの瞬間がやってくる。罪と罰に気づき、歩むべき道を授かり、一筋の救いを得る。だれもが人間を創造するために生まれてきたのだ。

そのとき自分が何のために人は生きるのかがわかる。それは無数の人間と共同して、一人の大きな人間を造り合うためである。大きな善い人間を創造していくピースの一つになることである。なんでもいい。歌うこと、書くこと、造ること、笑わせること、喜ばれること、人を善くするためのことならなんでもいい。それをして使命を果たすピースになる。私はあなたのために創造されたから(I was made for you)。

コメント

タイトルとURLをコピーしました